「あのとき」タイにいた入れ歯屋ハルカのブログ

2016年11月某日、都内。内定先である入れ歯屋でアルバイトとして勤務していたハルカは、社長室へと呼び出された。そこで社長から告げられた言葉を機にハルカの入れ歯屋ライフが本格始動。入れ歯との出会い、社長から課されるミッション、初めての社会人経験…そんなハルカの日々を綴ります。

Vol. 6 前途多難

ハルカです。

ここ最近はバンコクの暑さ以上の酷暑が日本を襲っているとのことで、帰国までのカウントダウンを不安げに見つめる日々です。

バンコクで室内外の温度差にやられ、患者を見つけにバンコクまで来た自分が、患者として病院へ向かっただなんて、恥ずかしくて口が裂けても言えやしない…。ご飯はしっかり食べているのですが。

 

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帰国日が迫る中、コンフォートの患者さんを見つけることにはなかなか成果が得られず、焦る毎日。

 


バンコクへ来てからというもの、焦りや不安やもうとにかく「どうしようどうしよう」といった感情に襲われているハルカ。

この感覚は依然として思考の広範を占めていますが、1~2週間ほど前の自分とはまた違った感覚も共存するようになりました。

 


最後にブログを更新して以降、タイに関わる多くの方とコンタクトをとり、お話を伺っています。

すると、

 

 

なんと!これまでの動きはほとんどターゲットにたどり着いていなかったのか!じゃあターゲットにはどうやって巡り会える?そもそもターゲットってどんな人?高所得者といったってボリューム広いじゃん!

 

といった自身の中での気付きが起きたのです。

そしてこれを機に、

 

ターゲットの多くはいくつかの決まった大病院を利用するらしい。だったらその大病院に訪れている患者さんから第1号の患者さんが獲得できたらいいじゃないか!ひとまず大病院関係者とコンタクトをとってみて…


うーんなるほど、やはり大病院で扱ってもらうには壁は大きいようだが、どうにかこうにかひとり患者さんが挙がれば問題なさそう。

しかしそれはどうやって…

じゃああの人に聞いてみよう!え?介護の展示会にコンフォートを一緒においてくれる?ぜひお願いします!すぐにリーフレットを100部とサンプル義歯をお持ちしますね!バックドロップもあるかもしれないので、早急に探してお待ちします!

 

 

これまでGoogleに頼っていたり、自分の脳内で唸っていたことも、周りに聞いてみることでプラスアルファの情報をもらえたりして、少しずつ少しずつ少しずつ「こうしてみよう」の選択肢が多くなってきたように感じられる今日この頃。

 


その他にも、バンコクにいるタイ人や日本人と関わる中で、新たに知り得たこともありました。

 

特に衝撃的だったのは、「割引」に対する捉え方。タイ人が商品を購入する際、割引価格に惹かれることは当然あるようですが、その背景には、費用を抑えられることへの喜びには留まらないとのこと。

割り引いてくれたこと、値切り交渉に応じてくれたことに対し、その方が「私への特別措置を施してくれた」という感覚を得られることもあるらしい。タイ人皆そうであるとは限らないけれども、その発想は自分一人では探し当てられなかったとだろうと思います。

 

……

…なんてことをしている間に今回の出張も終わりを迎えようとしています。

 

この期間中、患者さんの獲得は結局0名。口コミ作戦の仕組みを確立することも出来ず仕舞い。

表向きでは周囲にイイことばかり伝えたくなるけれど、実際は上手くいかないことばかり。自分の無能さに幻滅し続ける日々からは、いつになったら脱出できるのやら、とモヤモヤモヤ。

 

<つづく>

Vol. 5 ブンブンブブブン

ハルカです。

つい数時間前のこと。ふと外を見るとバンコクで有名なチャオプラヤ川に夕焼けが反射して綺麗な景色が。よくよく目を凝らすと虹、しかも副虹が見えます。写真では少々淡く見えますが、肉眼ではばっちり見ることができてなんだか得した気分。

 

 

昨日のブログでもモヤモヤしている様を示した通り、現在次の一手に悩みつつあるハルカです。とにかくティッシュを配ることも一つの手段ではあるものの、時間がかかって仕方がない。「口コミ作戦」のスタッフさん方を盛り上げることも未だ足りず、患者さんからの連絡はキャッチできず。しかし時間は刻一刻と過ぎて行きます。

 

ひとまず思い悩んでも仕方ないと、今朝はルンピニー公園へと向かいました。

初めてバンコクへ来た時に訪れ、紆余曲折ありながらも、モニターのイッポンばあちゃんとカムバックばあちゃんと出会った公園。「もう一度同じところから始めてみよう」とおじいちゃんおばあちゃんが多く集まる早朝6時に足を運びました。

 

「日本から来たの?」

「わたしもうインプラントしてるから」

「これはどこで買えるの?」

「今の入れ歯で特に問題ないからね~」

「あなたは歯科医師?」

 

少し興味を持ってもらえるところまでは達するが、その先はなかなか。

すると、今日はそんなハルカへ社長からお告げが。

 

 

もっと周りを巻き込めよ!

 

 

これまでタイの事業にかかわってくれた人、繋がりのある人、知り合いの知り合いまで…今こそみんなの力を借りて一歩踏み出す時。厳しい現実を知ったここからがスタートだと。自分の脳内でいくら自問自答を繰り返しても何も生まれないと背中を押されました。

 

入社して以降はもちろん、学生の頃からしばしば「巻き込む力は活きる!」と耳にしていました。しかし、自分自身がこれまで周囲を「巻き込んできた」経験が無く、あまりピンと来ていなかったという現実。

 

そんな私もバンコクに来て1週間が経過しました。成果はまだ得られておらず、このまま手ぶらで帰国はしたくない…。日に日に「なんとかまず一人を!」という気持ちが募るばかりでその手段は見つかりません。追い詰められ、お尻に火が付くどころか焼け落ちる寸前。巨大なパニックモンスターが現れています。

社長からのお告げは、そんな窮地に立たされたハルカの気を良い意味で少し軽くしてくれるものでした。できていないことや困っていること、不安なことをもっともっと周りに開けっ広げにしたらいいのかと気付き、「自分一人でやっているわけではないんだし」と再確認した感覚です。

 

 

そしてその気付きから数時間後、ポン先生から一報が入りました。

 

来週、イッポンばあちゃんがクリニックに来るよ。

 

一見、「それがどうしたの?」と思われるやもしれませんが、実は以前からポン先生を経由し、モニターのおばあちゃんと再会したいとお願いをしていました。とはいえ、なかなか連絡がつかず、うち一名はバンコク外に引っ越してしまったと聞き、悔しくも再会は実現しないかと気を落としていたのです。

しかし、本日の社長の言葉を機にいま一度連絡を取ってもらうようポン先生に懇願。

すると、イッポンばあちゃんが来週クリニックへ来てくれるとの嬉しい返答が来たのです。

 

とっさに

「クリニックに来た時に定期検診としてポン先生が診てくれるからね。せっかくだし、お友達も連れてきて!あ、前に撮らせてもらった動画もインタビュー紹介映像として完成しているからその時に見せますね!何ならお家までハルカが迎えに行くから一緒にクリニックへ行こう!」

と、テンション高く伝達。

まだまだ頑張らねばと奮起した瞬間です。

 

 

引き続き、ヘッポコハルカをどうぞどうぞよろしくお願いします!

 

 

<つづく>

 

 

今朝、公園で出会ったあるおばあちゃんに「入れ歯使っている?」と尋ねると、とって見せてくれました。

 

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Vol. 4 庶民の叫び

ハルカです。

夜、ホテルの部屋にいる間は常にテレビをつけっぱなしにしています。しかし、チャンネル数が多く、切り替えるのにも一苦労。私は、日本でテレビを見るときの選択肢は8つ程度。まあ、日本の一人暮らしの自宅にはそもそもテレビを置いていないんですけどね。

一方、タイのチャンネルは少なくとも50以上?はありそう。どうやら33チャンネルと35チャンネルがよく見られているらしい。ちなみに、バンコクでもワールドカップは盛り上がっています。夜になるとローカル飲食店はこぞってスクリーンにテレビ画面を写していたり。

 

 

 

なんとか「まず一床」に辿り着きたいハルカですが、未だ見込みが見られず苦戦しています。

一つの有力候補(と勝手に認識していた)介護施設への訪問は、あっさり振られて入居者の方と会うことはできず、ティッシュを受取った人々からの反応は依然何もなく…。

とはいえ、まだまだ認知されている数が少ないからな!と奮起し、本日は朝からショッピングモールへ繰り出しました。もちろん、向かうショッピングモールはバンコク中心部の施設です。高い購買力を持ったタイ人が多く来ているとの情報を受けやってきました。

 

タイ語リーフレット、サンプル義歯、ポケットティッシュを手にショッピングモールのレストラン街をウロウロウロ。

コンフォートの紹介をして回りながら、ティッシュの山をレストランのレジ横に置いてもらい、より広くコンフォートの名を広めようと試みました。そうすれば、私が手で配布をせずとも多くの方に手に取ってもらうことができます。もしかするとそこから火が付く可能性も無きにしも非ず!

 

そして、何軒かに声をかけはじめたハルカ。

そこであることに気がつきました。

 

お金持ちはレジでお会計をしない!!!!

 

おしゃれなレストランのほとんどは、食事をしたテーブルで「チェック」の合図を店員に出し、テーブル上でお会計。

またハイクラスのレストランに限らず、あちこちの飲食店のレジの前にお客さんが立ち、支払いをする光景はバンコクであまり見たことないと、ここへ来てハッとさせられました。いまさら。

なんでこんな単純なことにもっと早く気が付かなかったのか…。

 

なお、かろうじて数軒のレストランに置いていただくことができました。

丸亀製麺」や「オイシー」という名の日本食レストラン等々。

 

その後はオープンカフェにいる人のテーブルを回ってティッシュを渡してみたり、いくつかのモールを巡り、入り口で渡してみて…

 

 

それにしても、正直言うと「日本」「入れ歯」「歯茎に優しくやわらかい入れ歯」「使用者ムービー」「おまけのティッシュ」というキーワードででいくらかタイ人からの反応があるものだと思っていたハルカ。そろそろ診察の立ち会いをしているであろうという数日前までの期待も虚しく、クリニックへの電話はひとつと鳴りません。

これは完全に世の中なめきっていた。。うーんうーんうーん。

 

<つづく>

 

うーん。