「あのとき」タイにいた入れ歯屋ハルカのブログ

2016年11月某日、都内。内定先である入れ歯屋でアルバイトとして勤務していたハルカは、社長室へと呼び出された。そこで社長から告げられた言葉を機にハルカの入れ歯屋ライフが本格始動。入れ歯との出会い、社長から課されるミッション、初めての社会人経験…そんなハルカの日々を綴ります。

日常小話

ハルカです。

ゴールデンウィーク明けの初勤務日は、健康診断から始まりました。

採血が苦手なこともあり、横に寝転んで採ってもらう派です。先日も、変わらず横になると、看護師さんが、

 

「針が細いので少し時間かかりますけど」

 

と。

針が細いということは痛みが少ないのでは?と期待したものの、結局普段と同じように異物感や痛みを感じます。いつもより少し長い時間で採られ続け、憂き目を見る結果となりました。

 

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ところで、以前ハルカは生産管理や営業といった他部署でのお手伝いをしていましたが、実は、入れ歯屋の職場には、オフィスと技工所が併設されています。だからこそ歯科技工士の方から歯科・入れ歯に関する専門的なことを教わったり、試しに入れ歯の加工を行ってみたりと、パソコンの前に座っているだけでは経験できないことも多くあります。

一方オフィスに関しては、自分の作業スペースが長机の一部として提供され、デスクとデスクの間の仕切りもほぼ無いに等しいオープンな配置。それゆえに、普段仕事をしていると、他の部署でのやり取りや仕事ぶり、不意に起きた出来事が当たり前のように聞こえてくるのです。

たとえば、

 

中国のお役人さんから巻物をもらったけど、どうしよう。

 

とか。

 

そんなある日。

社内で、「ハルカの出身地域の医院さんからコンフォート加工の依頼が来ている」と耳にしました。患者名を見てみると、

 

うちのばあちゃんだ!

 

ハルカのばあちゃんは10年ほど前から上下顎ともに総義歯を使っており、以前からいつも「入れ歯が合わない、痛い痛い」とこぼしていました。

 

そして私が入れ歯屋への就職を決め、アルバイトとして働きに来ていた頃のこと。せっかくなのでと思い、ばあちゃんへコンフォートを紹介してみたのです。

その結果、ばあちゃんはコンフォートに興味を持ち、新義歯の作製からスタート。そして、新義歯にも慣れ始めたころに再び医院へかかり、コンフォートの加工を行うための治療を開始しました。最終的なコンフォートの加工は、我々入れ歯屋の技工所にて行われるため、こちらに届いたという訳です。

 

加工が完了したばあちゃんの入れ歯は、ちょうど本日発送予定とのこと。

タイでコンフォート入れ歯をセットした時のように、私のばあちゃんも、おいしく楽しく食べてもらえることができるといいなと思います。

 

果たして、ハルカのばあちゃんの行く末やいかに。

 

<つづく>

番外編:実を言うと、

ハルカです。

先日、髪を切ろうと思い立ち、美容院へと向かいました。ガッキ―の写真を見せながら、

 

「同じ髪型にしてください」

 

その注文通り20cmほど切ってもらうことができましたが、いざ仕上がると、ガッキ―ではなく明らかにちびまるこちゃん。少し残念ではあるものの、首元をすっきりさせることができたので、まあ問題なし。
しかしながら、図らずも2年ほど前の髪型とほぼ同様で、自分でも驚くばかりでした。そして、その当時何をしていたかをふと考えると…

 

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中国にいました。
これまでブログ内で触れたかどうか定かではありませんが、ハルカは大学在学中、中国へと留学していました。そしてここ数週間、入れ歯屋の社内でも「中国」の言葉がしばしば飛び交うようになったことも重なり、自分の留学生活を改めて思い返すように。驚くほどの指令を受けている今振り返ってみても、濃密な時間であったと感じるほど、さまざまな出来事に巡り合った一年間でした。

そこで、今回は番外編と称し、留学中の何気ない様子を記事にしようと考えました。現実感を出すべく、当時のfacebookの投稿をそのまま出してみる作戦です。手抜きではありません。

 

 

2015年6月3日 北京市

いまさっき自転車で学外まで出かけて行ったのですが、目的地に到着する直前に自転車のチェーンが外れました。
実を言うと、ここ最近は頻繁にこんなことがあったのですが、すべて学内で起きていたために、即座に直してもらっていました。学内あちこちに自転車屋さんがあります。
しかしながら今回は学外。自転車屋なんてどこにあるかわからないし、歩いて大学まで戻るのも少し悩む。自分でいじってみたものの、手が汚れるだけで何も変わらぬ。

そんなこんなでいろんな人(近くを通った人)に頼んだ結果、そのへんの警備員が直してくれました。

谢谢!

と大声で放ち、その場を離れた数秒後…
なんと、漕いでも漕いでも進まない。若干パニック。

すると、テンパる私の元に一人の男性が。なんでも、後ろ側のチェーンも外れていたらしく、サササッと直してくれました。
結局その後、無事に自転車で帰路に着いたわけです。
中国人、なんだかんだでみんな優しい。北京に来てからというもの、本当に人に恵まれて生きているハルカです。

自分も、他の人に親切を分けていけたら、世の中いいことだらけになれそう。

そんなことを考え、寮まであと約10メートルとなったその時。またチェーン外れちゃいました。
この調子でいくと、留学を終えて帰国する頃には自転車マスターになれるかも。



結論から申し上げると、この出来事の根源には「緩んだチェーン」がありました。
自転車のチェーンを新しくしてからというもの、同様の被害は全く起こらず、ハルカは自転車マスターとなることなく帰国したのでした。

<つづく>

おいしく食べたい!

ハルカです。

先日、タイでも有名だというチキンライスのお店へ行ってきました。初めてのチキンライスでしたが、お肉もタイ米も、一緒に出された冬瓜スープもすべて、思っていた以上の美味しさ。そのお店は、共にタイへと来ているオヒゲさんのリクエストによるものでしたが、そのおいしさは、これまで日本や他アジア圏にてありとあらゆるチキンライスを食べつくしてきたオヒゲさんも褒め称えるほど。

紹介してくれたポン先生には、本当に感謝がつきません。

 

タイにて残されたミッション、残るは患者さんへの入れ歯のセットとなりました。

前回の出張時の反省から、「患者さんがもし来なかったら」のケースに至るまで、行動パターンを考えて臨みました。とは言っても、予定通りに患者さんが来てくれることを祈るばかりです。

 

13:00

イッポンばあちゃん来院。

私ハルカの顔を覚えていてくれたようで、顔を見せると「ああー!」と声を上げていました。ハルカ、うれしい。

 

13:30

カムバックばあちゃん来院。

「この入れ歯、痛くないね!いいよこれ、いい!」 

高めのテンションで感想を伝えてくれます。

ハルカ、さらにうれしい。

 

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もともと立てていたスケジュールでは、患者さんへのセット後、夕食を共にし、食べてる姿を映像に収めようと考えていました。

しかしながらいざ診療を始めると、いずれの患者さんもピッタリ合っているとのこと。ハルカの予想を大きく上回り、セットもインタビューも、その他お手入れに関することなどの説明もあっさり終了。

 

その時点で時刻は14:30頃。

一緒に夕食へと向かえるはずもありません。しかし、患者さんが実際に食べている姿はどうしても撮りたいと思い、急遽スーパーマーケットへと走ります。

ナッツ、おせんべい、つくね串、さらにはイカのするめに至るまで、ありとあらゆる食材を購入してクリニックへ。比較的食べることが容易そうなナッツから食べてもらうと…

 

驚くほどにバリバリぼりぼりと食べていくではありませんか。そして2人とも口々に

 

「いたくないね、しっかり噛めるよ。」

「この入れ歯いい感じ!」

 

と非常にうれしそうな表情を見せてくれました。

 

アルバイト等を通し、入れ歯屋とかかわることはこれまで多くありましたが、新たにコンフォートにした患者さんの感想や表情を直接伺う機会は、今回が初めてでした。

 

やはり、柔らかい入れ歯・コンフォートは裏切りません。

 

なんとかかんとか、第二次タイ出張もミッションコンプリート!

 

<つづく>