「あのとき」タイにいた入れ歯屋ハルカのブログ

2016年11月某日、都内。内定先である入れ歯屋でアルバイトとして勤務していたハルカは、社長室へと呼び出された。そこで社長から告げられた言葉を機にハルカの入れ歯屋ライフが本格始動。入れ歯との出会い、社長から課されるミッション、初めての社会人経験…そんなハルカの日々を綴ります。

やればできる!

ハルカです。

昨日バンコクへ到着しましたが、離陸の段階から1時間半ほど飛行機が遅れを見せ始め、結局深夜2時頃に入国。眠い目をこすりながらホテルへやってくると、ホテルのWIFIサーバーがダウンしており、使えないとのことでした。「ま、いっか」と思いつつシャワーを浴びると、お次はドライヤーが使えないという事態に。正確には、温風が出てくるものの、15秒ごとに切れ、その後1分間放置したのちに再び15秒間使うといった、よくわからない系ドライヤーでした。

 

さて、開始早々先が思いやられるようなスタートを切った第二次バンコク出張。

いざ蓋を開けてみると、「やればできる!」との心持ち次第だと感じます。

 

そう思った出来事その一。

まず、本日はポン先生とのミーティングから幕を開けました。

前回のブログにて、(社長からプレッシャーをかけられつつ)ポン先生への交渉という指令を受けた点について少し触れましたが、早速その話を持ちかけることに。

 

もちろん、プレッシャーからの不安もありますが、それ以上に不安材料として挙がったのは、

 

英語

 

でした。

普段、ポン先生とは英語でコミュニケーションをとっていますが、基本的にはメッセージのやり取りのみ。メッセージとなれば、英語であったとしても、確認をしつつ・考えつつ言葉を送ることができます。一方、ビジネスの場面で英語を用いて相手に伝えるということは、これまで全く経験したことのないものでした。

 

社長からの指令が下った段階で覚悟していたことではありましたが、実際のところは不安不安不安。

 

そしていざ、決戦のとき。

レジュメを握りしめ、さらには、不安をぬぐい消すかのように作成したアウトライン兼スクリプトを手に、ポン先生へと挑みます。

 

f:id:harukurukurupa-ma:20170430204344j:plain

 

話し始めると、アウトラインなど見る余裕などこれっぽっちもなく、「話があちらこちらへ左右している」とわかっていながらも、言葉選びに必死で簡潔にまとめることはできず仕舞い。

とにかく、こちらの意図が伝わっているかどうかを都度都度確認し、ゆっくり時間をかけて説明すること約1時間半。日本語であれば15分ほどでまとめられたはずの内容にもかかわらず。

 

そして、全体を通してのポン先生からの反応は、

 

「Okay!」

 

予想以上にあっさりと受け入れてもらえ、逆にこちらが拍子抜けしてしまうほど。開始前は、あれほど不安に駆りたてられていたポン先生とのミーティングも、終わってから振り返れば、「ぎりぎり乗り越えたな、自分。」と思うことができました。

もちろん、未熟な点はまだまだ数え切れないほど多くあります。且つ、今回私が実行したことが、決して褒められるようなことではないのも事実。しかしながら、「やってみれば、思ったよりかはいい方向へまとまったじゃん」と自分自身で気づくことができたのは、新たな発見だったと感じます。

 

そしてポン先生とのミーティングも終了し、残されたミッションは、患者さんへの入れ歯のセット。

前回タイへと出張へ来た際、公園で患者さんを探し出し、クリニックへ招いたところ、4名中2名しか来院しないという事態に見舞われました。今回は、入れ歯を渡す段階。さすがに来るだろうと思いつつ、もし来なかったら?という不安が再度よぎります。

 

…大丈夫かなあ?

 

<つづく>

チクチクプレッシャー

ハルカです。

一か月ほど前、シルバニアファミリー展へ行ったところ、見たことのない真っ茶色のファミリーが仲間入りしていました。ハリネズミファミリーだそうなのですが、残念ながら、個人的にはあまりかわいいとは思えず。

 

f:id:harukurukurupa-ma:20170428145922j:plain

引用元: シルバニアファミリー公式サイト

 

さて、久しく触れていなかったタイの企画ですが、その後入れ歯が完成し、お届けする日程が決定しました。

 

明日、いってきます。

 

正確には、明日の深夜に現地へ到着し、4月30日に患者さんの予約となりました。ゴールデンウィークということもあり、航空券・ホテルともに、お値段の張る出張。これらの予約時には、入れ歯屋の経理様に泣く泣くお願いをし、なんとか準備をすることができた非常に貴重な第二次タイ出張です。

ちなみに、これまでの進捗としては、以下の記事から大方の流れはご理解いただけるかと思います。

 

sekai-de-ireba-challenge.hatenablog.com

 

今回は、イッポンばあちゃん、カムバックばあちゃんの二人の入れ歯のセットに立ち会います。セット時に調整も必要ということで、私ハルカとオヒゲさんの二名で向かうことに。ハイスペさんはお留守番です。

 

もちろん前回と同様、一連の流れを動画で撮影します。

いつぞやに行った「公園で入れ歯に困っている人探し」と比べたら、いささか気持ちも落ち着いて向かうことができるな…。そう感じていた矢先に、現地滞在中の追加指令を、相も変わらず社長から受けました。

 

どうやら新たな試みに挑戦するらしい。

 

今回のタイでのプランは、もちろん今後のプロモーションへと活かすことが目的ですが、よりプロモーションを強化していくため、第二作戦が始まるとか。とは言っても、その策を講じることによって「コンフォートにしたい!」という患者さんを増やすという点においては、これまでと何ら変わりはありません。

そして、その策を進めるためには、ポン先生への確認も必要。その確認を、ハルカがしてくるという追加指令だったのです。しかもその内容は、軽く聞いてすむものではなく、レジュメを作成し、直接話をし、こちらの考えていること・思いをしっかりと伝えてこなければならないとのこと。

 

なぜ私がそこまで?

 

とは思わない、と言っては嘘になりますが、そこは受け流しつつ続けて社長の指示を聞きます。すると、

 

「もう、プロなんだから。」

「会社の代表として話をしてきてね。」

 

もうハルカも入社し、社員となったからには覚悟や気の持ちようも変わりつつある段階。社会人としての自覚や責任は認識しているつもりではありますが、自分の中に落とし込めているかどうかは、まだまだ怪しいところも見受けられるのが現状です。どうしても、

 

そこまで言う?

 

とか

 

え、ほんとに?むりむり。

 

と、目を背けたくなることも。

しかしながら、鬼の100kmウォークと同じく、現実から逃げることはできないハルカ。

 

果たして、ハルカは無事に任務を遂行できるのでしょうか?

乞うご期待ください!

 

<つづく>

塵も積もれば山となる。

ハルカです。

前回の記事でも触れましたが、先週末の4月22日、23日の二日間、「わくわく入れ歯ハイキング~100km編~」へ参加してきました。結果からお伝えすると、

100km完歩できました!

完歩後でも走れていたりと、比較的余裕に見えるゴールとなりましたが、その後発熱。入れ歯屋から課せられるミッションとしては、「月曜日に意地でも出社」というものがあるものの、私ハルカはまさかの「月曜日に意地でも病院」というオチでした。個人的にはなんだか少しかっこ悪いなと。

 

 

終わった今振り返ると、「果てしなく遠い目標であったとしても、必ずしも無理とは限らない」と感じるようになりました。

スタート直後、5km歩いた時点でも「これをあと9往復半するのか」と絶望していました。しかし、約10kmごとに設置されるチェックポイントや、ところどころに見えるコンビニ、信号機といったマークを見つめながら歩くことで、小さな達成感と次への期待を抱き、歩き続けることができたのです。

近くに目標をつくりながら少しずつ向かえば、時間はかかるかもしれないけれど、いつかは辿り着くことができる!身を以て知った2日間でした。

 

また、歩いている間、自ら驚くほどに心境の上がり下がりがめまぐるしかった2日間でもありました。スタートから最後まで思い続けていたこととしては、「排水溝の穴が憎い」という点が挙げられますが、それ以上に感じたものは多くあった100kmウォーク。その様子をザザザッとお伝えしていきます。

 

f:id:harukurukurupa-ma:20170425121459j:plain

 

まずはスタート地点。少しの期待と不安を持ちながら、たくさんのスタッフさんとハイタッチをして歩き出します。ハイキング気分で気付けば20km。割と100kmも歩けるのでは?と調子に乗り始めた頃でした。「いちじくケーキを食べたいです」と冗談を言えるほどの余裕さえ。

 

f:id:harukurukurupa-ma:20170425113103j:plain

 

そして40kmを過ぎた折。

そろそろ足のあちこちが痛み始めるも、それと同時に日が暮れ始めます。周囲の見え方の変化や、入れ歯屋からのサポーター様らの応援によって少し気分も変わり、「まあ、まだ行けるな。」しかし、このあたりから雨もパラパラと降り出すように。

 

やがて50km地点を超え、60kmまでひたすら足を動かしていたそのとき、闇に飲み込まれ始めました。それまでと同じように歩いているにもかかわらず、いろいろな感情が交錯するのです。

 

「なんでわざわざこんなに歩いているんだろう?暗くて足元さえ十分に見えないし。カッパのせいで少し暑いけど、海風強すぎて寒い。でも足が出れば進む、がんばれ自分。いや、でもでもでもとにかくしんどすぎて…」

 

苦しくて、つらくて痛くて。もう歩きたくないとも思いつつも、足は止めたくない。自分でもわけがわからず、半ベソをかきながら歩く歩く歩く。

 

やっとこさ途中のチェックポイントへと辿り着き、気持ちも落ち着きます。座る事さえままならず、横たわるので精いっぱいといった状態でした。

 

f:id:harukurukurupa-ma:20170425114312j:plain

 

闇の区間をなんとか超え、満天の星空に感動している間に日も昇り始める時刻となります。

久しく浴びる朝日に高揚し、足の動くペースは速まるばかり。しかしながら、調子に乗りすぎたこともあり、その後徐々に失速したりも。それと同時にゴールが徐々に現実的となり始め、あと20km、あと10km…と残りの距離を刻みます。

残りあと3kmとなったときには、ただひたすらにゴールだけを見据え、最後の力を振り絞って手を振り足を出し、声をかけながら進みます。

 

そしてなんとかゴール!

 

f:id:harukurukurupa-ma:20170425115259j:plain

 

26時間38分にて100kmを歩ききることができました。これも、一緒に歩いた方々はもちろんのこと、サポーターとして最後まで明るく励まし続けてくれた方々や、応援をしてくれた方々の支えあってこそだと感じています。

 

ありがとうございました!

 

<つづく>