「あのとき」タイにいた入れ歯屋ハルカのブログ

2016年11月某日、都内。内定先である入れ歯屋でアルバイトとして勤務していたハルカは、社長室へと呼び出された。そこで社長から告げられた言葉を機にハルカの入れ歯屋ライフが本格始動。入れ歯との出会い、社長から課されるミッション、初めての社会人経験…そんなハルカの日々を綴ります。

歯科用語は難しい。

ハルカです。

ゴールデンウィークは、味噌カツ食べて→ドーナツ食べて→卓球して→ステーキ食べて→世界卓球見て→友人とランチへ行き→プールでがっつり泳いで→いろいろ食べて→世界卓球見て→そのほかの何かを食べて食べて食べて…な日々を過ごしました。その合間にお気に入りのブラスバンドのファンクラブコンサートへも参加するなど、当に充実した休暇。

 

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※以下、記事の内容にハルカの誤認識がありましたら、早急にこっそり教えていただけますと幸いです。

 

 

さて、ブログを開始して以降頻繁に名を挙げている「コンフォート。」

実はこのコンフォート、一般的な入れ歯を作製する手順に加えさらに一手間も二手間もかけて作られています。

とりわけ、「機能印象」というコンフォートのための型どり。

実を言うと、私は入社後2週間ほどまではこの機能印象についてはよく理解していませんでした。入社前にインターンをしたりタイへ赴いたにも関わらず…。言い訳をするならば、これまで歯科医院で口腔内の印象を採ることさえ経験が無いからと唱えたいところです。せいぜい折れた前歯を治した程度でしょうか。

 

 

当初、「型どり」と耳にしたハルカは、歯医者さんの椅子でベチョベチョしたものを口の中に入れられ、その場で型どりをされるのかな、などというフワッとした認識を持っていました。

 

しかしながらこの機能印象は、歯科医院内で且つ数分で終了するような型どりではなかったのです。

コンフォートを希望する患者さんは、既に完成された入れ歯に型どりのための印象材ペーストを載せて口腔内にセット。その入れ歯を口に入れたまま帰宅し、数日間通常の生活を送ってもらいます。使用する印象材は数日かけて硬化をしていく性質を持ち、食事や会話などをしている最中にも少しずつ形作られていくのです。要するに、口の動的な型どりをすると。

 

 

その機能印象を終えた入れ歯が毎日我が入れ歯屋へと到着し、歯科技工士さん方の手によってコンフォートが完成します。

 

そして、そもそも入れ歯の形が人それぞれ異なるのだから、機能印象のできあがりも個々人で違うことは当然。それらの中には、とりわけキレイな印象面の入れ歯や、少々改善が必要なケースも時折見られます。

とはいえ知識の乏しいハルカにはどれがキレイなのかどうかも正確に判るはずもありません。載っている印象材が薄く見えるものや多いもの、それだけで良し悪しが決まるわけでもなく、そもそも部分入れ歯か総入れ歯かによっても状況が変わる…。

一方で、海外でこれからコンフォートを広めていくためにはしっかり理解しなければならぬ点であることも確かです。

 

 

これは一人で黙々と勉強していてはムリだ!

ということで、新人と一緒に社内講座に参加しています。

 

「部分床義歯のアーム部分は最終的にコンフォートは載らないので、そこに載る印象材はカット。カットをする前後では患者さんの使用感も変わるので、先生の下できちんとカットして患者さんに使ってもらわないといけないよ」

 

とか、

 

「レトロモラーパッドは開口時と閉口時で形が変わる。だからこそ、機能印象という動的印象が重要!」

 

「ちょっと印象材がレジン床から浮き上がっている場合、そのままコンフォートで再現すると、患者さんの口腔内へセットした時にアタリとなってしまうので調整や(場合によっては)リリーフを行うこともある」

 

患者さんの口腔内はそれぞれ違います。この世に全く同じ入れ歯が存在しないように、印象の形、出来上がったコンフォートの形、時には加工の仕方もそれぞれ異なると。

ゆえに、知識のみならず経験がものをいう世界なのだと痛感しました。コンフォートマスターへの道は果てしなく続きます。

 

 

 

今後、知識と並行して経験も積んでいかなければ!そのためにまずはタイでコンフォートの症例を出さねば!と奮起するハルカなのでした。

 

 

<つづく>