「あのとき」タイにいた入れ歯屋ハルカのブログ

2016年11月某日、都内。内定先である入れ歯屋でアルバイトとして勤務していたハルカは、社長室へと呼び出された。そこで社長から告げられた言葉を機にハルカの入れ歯屋ライフが本格始動。入れ歯との出会い、社長から課されるミッション、初めての社会人経験…そんなハルカの日々を綴ります。

Vol. 1 "Have Fun"

ハルカです。

バンコクなうです。

タイのかの有名なサイアムパラゴンの入口をくぐると、そこには煌めく外国車が並んでいました。写真はアストンマーティン。どうやら自動車の展示イベントを行っていたようで、ヨーロッパの高級車がショッピングモールのど真ん中にドーン。

ちょうどこの場で商談を行う30代前後のご夫婦がいらっしゃいました。庶民の私からしてみれば「え、こういうところでクルマ買う人って本当にいるんだ…」と唖然とするばかり。

 

 

さて、「バンコクで何するの?」というところですが、本日の主なメニューは、

 

・タイ人スタッフとの打ち合わせ

・高齢者施設への飛び込み営業

 

今、このブログを書きながら、自分で

「え、それだけ?」

と思っってしまいました。ただ実際のところ、当の本人は少しゲッソリ気味。これもこれで楽しんでいますが。

 

 

現在、タイでコンフォートを広めるために行っているアクションの一つとして、「口コミ作戦」を実行しています。これは、とあるタイ人の方にご協力いただきコンフォートを知人・友人に広めてもらって集患を目指すというもの。

もしも、そのタイ人の紹介者を通じ、知人・友人がコンフォートの購入まで至った場合、紹介者に報酬が支払われる仕組みです。

 

そして今回、この仕組みをなんとか実働させようではないか!と海を渡ってきました。

現時点では、この「紹介者」にあたるタイ人は1名しかいません。正直不安も募るばかりではありますが、私が帰国するまでには紹介者も被紹介者もウハウハになれるように頑張るのです!

 

このような背景の下、その唯一のタイ人スタッフさんへ「そもそもコンフォートってこういう商品でね…」「ハルカはこういった目的のためにバンコクへ来たの」「あなたはこの近くに住んでいるの?」等々話していたら、あっという間に昼食の時間を過ぎるまでに。

 

 

午前の勢いのまま、汗を拭いながらタイカレーを食し、午後からはバンコク市内の高齢者施設へ飛び込み営業に行ってきました。

その施設には、渡航以前から電話やメールでアポイントを取ろうと試みていたのですが、残念ながら返答をもらうことができず、

 

もう直接行ってしまえ!!!

 

と。

幸い、私が送ったメールには目を通してくれていたようで、受付の方が取り合ってくれました。幸運の極み。

 

 

そもそも、タイに住むご高齢の方々は、息子夫婦と暮らしていることが多く、日本ほど高齢者施設や介護サービス等の提供はさほど多くない印象を受けます。私が向かった施設は、そんな数少ない施設の一つ。様々な理由で入居している方がいらっしゃるそうで、なんと総勢250名。年齢も65-104歳と幅広い。

なお、こちらの系列がバンコクの施設を含めタイ国内に全11施設を構えているんだとか。

我が入れ歯屋が提供するコンフォートは、商品のスペックにより1500~4800USドルという価格帯ですが、入居者のうち少なくとも10名ほどはその購買力を持つ人もいるかもしれないとのことでした。

 

直接入居者の方々とお話をしたかったものの、プライバシーの観点からも一度ボスへの承諾をもらってからだそう。良い返事を期待!

 

 

というあれこれを受け、改めてポン先生と話していた夕刻のこと。

ポン先生から、

「私も患者さんへのコンフォートの紹介を行いたいんだけど…」

と新たにお願いを受けました。話を聞くと、ご自身の繋がりを基に「『紹介者』をまとめる役」をやりたいそう。

コンフォートを広めてくれるのであれば、是非お願いしたいと思い「OK!」と即答したハルカ。社長の許可は仰がずに答えてしまったけれど、その方向もうまくいきそうだし…

 

良いですよね?…ね?

 

<つづく>

 

帰国まであと22日~

Cảm ơn!

ハルカです。

とはいえ、空港を訪れるときは行く先にかかわらず、いつもドキドキわくわくしています。空港へと向かうその目的は、旅行や出張、留学等さまざまでしたが、後に待つイベント事や目的地の「今とは違う環境」に胸を躍らせるのです。自分がこれから向かう先には知らないことや人や生活があるのだと想像するだけで「何が起きるんだろう?」と楽しみで楽しみで仕方がない。

また、帰国をした時にも「帰って来たぞ~」という安心感に満たされ、さらに心がほっこりするのです。一年間の留学を終えて帰国すると、空港のトイレに設置された暖かい便座に座って涙をこぼし…はしませんでしたが、泣きそうになりました。

 

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そんなハルカは、先週末もソワソワしていました。

なぜなら土日にかけてベトナムへの出張が控えていたのです。

 

今回、ベトナムホーチミンにてとあるイベントを開催すべく、ハルカも渡越。もちろん我が入れ歯屋主催のイベントです。

 

このイベントには、これまでコンフォートを提供してくれた歯科医院の先生方を招待しています。「いつもやわらかい入れ歯・コンフォートをご愛顧いただきありがとうございます!これからもよろしくね!!」という意を込めました。

 

 

ハルカの担当がタイということもあり、これまでブログではさほど触れられてこなかったベトナム事業。実は、ベトナム人の先輩「ゴクサン」というお姉さまを中心とし、コンフォートをベトナムで広めようと取り組んできました。そんな事業も約3年が経過。

そして国内コンフォート事業の革新に伴い、ベトナム、タイを含めた海外事業も新たなビジネスモデルに挑戦しています。タイは完全に新規の事業ですが、既存のコンフォート展開や歯科医院とのつながりがあるベトナム。これまでお世話になってきた方々に感謝を伝え、よりこれからのベトナム事業に勢いをつけよう!とイベントの準備に取り組んできました。

 

ベトナムってこれまでコンフォートを使ってくれている患者さんや歯科医院の先生方がいるのだから、まずはその方々からの声を直接聞きたいよね!コンフォートを使用している患者さん同士や先生同士の交流を新たに作ることで、誰もが新たな発見を勝ち得られるだろうし、そんな場で入れ歯屋もこれまでの感謝を伝えられる。なんて素敵な企画でしょうか!

 

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結果的に、当日はこれまでコンフォートを取り扱ったことのある先生、コンフォートの経験はないけれど興味のある先生をお迎えすることができました。実際にコンフォートをお使いの患者さんをお呼びすることはできなかったものの、総勢60名を超えるゲストが足を運んでくれました。

 

私も数名の先生へインタビューを行いましたが、そこで強く感じたことは、

 

ベトナム語を理解できないことが悲しい…

 

インタビューは、予め質問内容を大きな紙に書き出し、「ひとまずこれについてカメラに向かって話してよ!」方式で参戦していました。そして現地バートナーのスタッフさん方からのお力も借り、先生の話す様子をビデオに収めることに成功。

簡潔な言葉で終える先生や、ゆっくりじっくり話す先生…。時折伺う笑顔から「いまコンフォートの良いところについて話してくれている…よね?」となんとなく推察してみたり。

 

しかしながら、話してもらっている内容をその場で汲み取れないことにムズムズモヤモヤするのです。イベント終了後、ベトナム人の先輩からあんな話があった、こんな話を聞いたと共有をしてもらいました。それらはやはり嬉しいお言葉ばかりで、

 

「コンフォートが患者さんの悩みを解消して患者さんを満足させた。」

「日本のコンフォートって綺麗だね!」

 

と。私もその声を直接聞きたかった!と感じるハルカなのでした。

とはいえ、コンフォートの品質を国外でも認めてもらえることほど嬉しいことはありません。タイでも同様に「歯科医院の先生から」「患者さんから」その言葉をもらえるよう、まずは営業頑張ります!

 

 

 

<つづく>

 

 

最後に(おそらく、多分、もしかするとこの記事に目を通している)社長への公開質問。

 

アオザイと一緒に用意していただいた帽子、なぜほとんど被らなかったのですか?」

 

イベント中に何度か帽子を手渡すも、全然被ってもらえませんでした。

お気に召さなかったのでしょうかね。

歯科用語は難しい。

ハルカです。

ゴールデンウィークは、味噌カツ食べて→ドーナツ食べて→卓球して→ステーキ食べて→世界卓球見て→友人とランチへ行き→プールでがっつり泳いで→いろいろ食べて→世界卓球見て→そのほかの何かを食べて食べて食べて…な日々を過ごしました。その合間にお気に入りのブラスバンドのファンクラブコンサートへも参加するなど、当に充実した休暇。

 

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※以下、記事の内容にハルカの誤認識がありましたら、早急にこっそり教えていただけますと幸いです。

 

 

さて、ブログを開始して以降頻繁に名を挙げている「コンフォート。」

実はこのコンフォート、一般的な入れ歯を作製する手順に加えさらに一手間も二手間もかけて作られています。

とりわけ、「機能印象」というコンフォートのための型どり。

実を言うと、私は入社後2週間ほどまではこの機能印象についてはよく理解していませんでした。入社前にインターンをしたりタイへ赴いたにも関わらず…。言い訳をするならば、これまで歯科医院で口腔内の印象を採ることさえ経験が無いからと唱えたいところです。せいぜい折れた前歯を治した程度でしょうか。

 

 

当初、「型どり」と耳にしたハルカは、歯医者さんの椅子でベチョベチョしたものを口の中に入れられ、その場で型どりをされるのかな、などというフワッとした認識を持っていました。

 

しかしながらこの機能印象は、歯科医院内で且つ数分で終了するような型どりではなかったのです。

コンフォートを希望する患者さんは、既に完成された入れ歯に型どりのための印象材ペーストを載せて口腔内にセット。その入れ歯を口に入れたまま帰宅し、数日間通常の生活を送ってもらいます。使用する印象材は数日かけて硬化をしていく性質を持ち、食事や会話などをしている最中にも少しずつ形作られていくのです。要するに、口の動的な型どりをすると。

 

 

その機能印象を終えた入れ歯が毎日我が入れ歯屋へと到着し、歯科技工士さん方の手によってコンフォートが完成します。

 

そして、そもそも入れ歯の形が人それぞれ異なるのだから、機能印象のできあがりも個々人で違うことは当然。それらの中には、とりわけキレイな印象面の入れ歯や、少々改善が必要なケースも時折見られます。

とはいえ知識の乏しいハルカにはどれがキレイなのかどうかも正確に判るはずもありません。載っている印象材が薄く見えるものや多いもの、それだけで良し悪しが決まるわけでもなく、そもそも部分入れ歯か総入れ歯かによっても状況が変わる…。

一方で、海外でこれからコンフォートを広めていくためにはしっかり理解しなければならぬ点であることも確かです。

 

 

これは一人で黙々と勉強していてはムリだ!

ということで、新人と一緒に社内講座に参加しています。

 

「部分床義歯のアーム部分は最終的にコンフォートは載らないので、そこに載る印象材はカット。カットをする前後では患者さんの使用感も変わるので、先生の下できちんとカットして患者さんに使ってもらわないといけないよ」

 

とか、

 

「レトロモラーパッドは開口時と閉口時で形が変わる。だからこそ、機能印象という動的印象が重要!」

 

「ちょっと印象材がレジン床から浮き上がっている場合、そのままコンフォートで再現すると、患者さんの口腔内へセットした時にアタリとなってしまうので調整や(場合によっては)リリーフを行うこともある」

 

患者さんの口腔内はそれぞれ違います。この世に全く同じ入れ歯が存在しないように、印象の形、出来上がったコンフォートの形、時には加工の仕方もそれぞれ異なると。

ゆえに、知識のみならず経験がものをいう世界なのだと痛感しました。コンフォートマスターへの道は果てしなく続きます。

 

 

 

今後、知識と並行して経験も積んでいかなければ!そのためにまずはタイでコンフォートの症例を出さねば!と奮起するハルカなのでした。

 

 

<つづく>