これは運命?
ハルカです。
タイ滞在中のホテルに「コンフォート」の文字を発見しました。数ヶ月前まで通っていた自動車免許の教習で乗っていた自動車も、確かコンフォートだったなと思い返しつつ。
さて、タイでの最重要課題「街中で探した入れ歯の人に、柔らかい入れ歯・コンフォートにしてもらう。」そろそろ終盤かと思いきや、患者さんからのドタキャンという思わぬ展開に見舞われたハルカ達。
時は少し遡り、公園で入れ歯に困っている人を探していたときのことです。
「コンフォートにしたい!」というおばあちゃんと我々が話しているうちに、そのお友達が集まり、目標定員に達しました。
早々と集まり、歓喜に満ち溢れる場面ではありますが、一点、大きな不安要素があったのです。
その集まってきたお友達のうち、あるおばあちゃんは、歯が一本ずつ上下合わせて4本ほど抜けている状態でした。つまり、一本の入れ歯を装着するということ。
しかしながら、一本の入れ歯のケースは社内では未だ準備段階(?)のようで、できるのかどうか不確実。急遽、日本の本社と連絡を取り、写真や通話を駆使し、状況を伝えます。
その結果、ハイスペさんの迅速な対応もあり、「OK」が出ました。今後、日本でも応用していくことができる症例でもあり、是非やってみようとのこと。一本入れ歯のおばあちゃんも、コンフォートを試します!
そして、クリニックでの診察の日。
前回までの流れから、ドタキャンされないだろうか?ちゃんと来てくれるのか?と不安で不安で仕方がありません。
定刻、15:30。
一本入れ歯のおばあちゃんが来院しました。まずは、予定通り来てもらえたことに改めてお礼を伝え、診察を開始。ポン先生が、逐次おばあちゃんとの会話を私へと伝えてくれます。その中で、
「公園で紹介されたあの日、ちょうど入れ歯が壊れてしまっていたの。」
と、おばあちゃん。
普段使っていた入れ歯が壊れ、不便を感じていた矢先、公園にて私たちに出会ったと言うのです。ある種の運命さえも感じました。
無事に診察も終え、なんとか1日やりきったという感情に溢れるばかりです。キャンセルの出てしまった患者さんについては、今後とも対応が必要ですが、タイにてできることはこれにて終了。
このスタートダッシュの勢いを失わず、今後とも頑張ります!
<つづく>
想定外の大波
ハルカです。
ハイスペさんは海外へ来ると、フルーツのフローズン系飲み物をよく注文する傾向があるそうです。確かにおいしい。
さて、カムバックした患者さんの診察を終え、少し落ち着いたハルカ。しかし、いくら待てど1人目の患者さんが来ず、さらなる不安がハルカ達を襲います。
すると、クリニックの電話が鳴りました。受話器を置いたポン先生がこちらへやってきます。
今日来る筈の4人のうち、1人目の予定だった患者さんが、「膝が痛くなったので行けない」との連絡が入ったとのこと。
予定時刻を回っても姿を現さないことから、嫌な予感はしていました。しかしやはり…。
てもここで気を落としてはいられません!
まだ2人の患者さんが残っている気を改めたその時、再び電話が鳴ります。
「予定が入ったので、今日行けません。」
うわー!
嫌な予感が当たり、現実から目を背けたい気分。
いまからまた公園へ行くのか?それともショッピングモールで探す?いやしかしそれはダメだと言われたし。通訳さんもいないし、日本人街へ繰り出すべきか?
あたふたせずにはいられません。その様子を心配したポン先生が一緒に対応を考えてくれました。
そして今後、ポン先生を通じて別日程での診察が行えるかどうか、確認をしてみるということでなんとか落ち着く。
海外にいるからこそ、「万が一」を想定して行動せねばと感じさせられた出来事でした。
予定ではもう1人患者さんが来るはずですが、果たして!?
<つづく>
下がって上がって下げられテンション
ハルカです。
タイのココナッツジュースは、椰子の実に入れられて出され、とても気分が上がります。しかも美味しい。
タイ4日目。
ついに今回の出張の山場を迎えました。公園で募集した入れ歯の人達に、今日はクリニックへ来てもらいます。
クリニックでは、以前からお世話になっている歯医者さんのポン先生が中心となり、診療を進める予定。しかし、クリニックがショッピングモールの中にあり、そのモール自体へ11時頃まで入れません。するとポン先生が、「せっかくだし少しだけ観光地へ案内するよ」とのこと。クリニックからも近く、歴史のある寺院へと連れて行ってくれました。
11時を回ったところでいざクリニックへ。
1日のスケジュールを確認しつつ、12:30に来院予定の1人目の患者さんを待ちます。
そして12時を過ぎた頃、なんと2番目の患者さんが来院。「あれ?」と思いつつ、時間もあるので早速診察を開始しました。
ポン先生と患者さんがタイ語で何かを話しています。すると、患者さんが立ち上がり、帰り支度を始めるではありませんか。
「聞いていた話と違うので、やっぱりなかったことにして。」
ハルカもハイスペさんもびっくりです。どうやら「本当に全部無料で治療してくれるのか信じられない」と怪しんでいたとのこと。
ポン先生を介し説得を試みますが、何を言っても徒労に終わる模様。他に成す術もなく、そのまま次の患者さんを待ちます。
ハルカもハイスペさんも唖然とするばかり。口を開けば、
どうしようどうしよう
しか言葉になりません。
まずは、途中棄権してしまった方にその理由をしっかり聞くべきと考え、ポン先生を通し、こちらから電話。すると、驚くことにポン先生の説得により、再びクリニックへ来てくれることになったのです。
正直なところ、「さっきまでのは何だったんだ!」と突っ込みたくなるほどの驚きです。
結局、そのおばあちゃんもコンフォートにすることとなり、少し安心…したいところですが、
おや?
1人目の患者さんが来ていません。予定時刻はとうに過ぎた日曜午後。
さらなる不安が過ります。
<つづく>