「あのとき」タイにいた入れ歯屋ハルカのブログ

2016年11月某日、都内。内定先である入れ歯屋でアルバイトとして勤務していたハルカは、社長室へと呼び出された。そこで社長から告げられた言葉を機にハルカの入れ歯屋ライフが本格始動。入れ歯との出会い、社長から課されるミッション、初めての社会人経験…そんなハルカの日々を綴ります。

ドイツと日本の時差は8時間

ハルカです。

ドイツに到着してからの食事は、ジャーマンポテトとソーセージと赤身のステーキとハッシュドポテトと、少し味の違うソーセージとチキンのフライと大きなハムとフライドポテト、もしくはサンドイッチを摂っています。

「これぞドイツ!」な食事を経験することができて大満足なのですが、そろそろ茶色い食べ物から脱したいところ。いやしかし贅沢言ってはいけないし…。もちろんそんなことを考えていたとて、なんでも食べるのですが。どれも美味しいですし。

 

 

早いものでドイツの展示会・IDSも4日目を終えました。

展示会最終日を目前に控えた金曜日であるため、来場者は一気に増えるのではとの予想を立てていましたが、実際は連日とさほど変わらず、首をかしげる一同でした。しかし、入れ歯屋のブースへ立ち寄る人々との会話の内容は、一組にかける対応の密度が徐々に濃くなりつつあるように感じられます。

たとえば、価格や輸送の手間を理由に話途中にしてブースから立ち去ってしまう来訪者とのやりとりがその一例に挙がります。展示会初日の時点では、相手から何かしら否定をされた時点で「あぁ、残念…。」と話を終えてしまっていたこともありました。しかし今となっては「え?輸送機関が長いからムリ?いや、こっちの商品であれば一往復で済むから輸送にかかる期間も現実的ですよ。まずは試してみようよ!」と話をうまくつなげられるように。ハルカにとっては、これだって大きな一歩なのです。

 

日々、世界各地の方々がブースへと立ち寄ってくれますが、どちらかというと中東地域やアフリカ、アジア近辺のドクターが特に好色を示す傾向が感じられます。その中で、昨日出会ったとあるドクターとのやりとりは特に強く印象に残りました。

 

そのドクターは台湾の高雄で歯科医院を経営しているドクター。当然、彼がやわらかい入れ歯・コンフォートを見、サンプルを手に取ったのはこの日が初めてでした。

ハルカが商品の詳細を話していくうちに、ドクターからも多く質問が寄せられます。

 

「この入れ歯はチェアサイドで調整できるものなの?」

「日本での患者さんからの反応はどう?」

「もしもシリコーン面を修理したい場合はどのように行うの?院内で可能なのか、それとももう一度入れ歯屋へ依頼する必要はあるのか?」

「もしも義歯に何かあったときにはどのように対応してくれるのか?」

……

 

他にも多くの疑問点をひとつひとつ解消していきます。今あらためて質問を文字に起こすと、いたって普通のやりとり。しかし直接会話をしていた時には、その話の節々から「患者さんに良い義歯を提供したい。」というドクターの思いが伝わってきたのです。

ドクターが患者さんのことを考えて治療を施すことは、当然だと云われ得ること。その中でもこの台湾のドクターは、ただ単純に患者さんへ良い治療を提供することばかりでなく、さらにその先の「相手を思いやる」気持ちを強く持っている方だと、素人ながらに感じたのです。そして「ああ、この先生と一緒にコンフォートを拡げていきたい。」と率直に思ったハルカなのでした。

 

これまでも旅行で台北を訪れたことはありますが、人も町並みも食事も、どれも自分の好みに合っている台湾。近い将来、台湾におけるコンフォートの事業を大きくした上で高雄を訪れることができるよう、早速、「帰国後、スカイプミーティングをしようね。」と、ドクターとメッセージを交わします。

 

 

そんなこんなでIDSも明日が最終日。

最後まで駆けていきます!

 

 

<つづく>