「あのとき」タイにいた入れ歯屋ハルカのブログ

2016年11月某日、都内。内定先である入れ歯屋でアルバイトとして勤務していたハルカは、社長室へと呼び出された。そこで社長から告げられた言葉を機にハルカの入れ歯屋ライフが本格始動。入れ歯との出会い、社長から課されるミッション、初めての社会人経験…そんなハルカの日々を綴ります。

バンコクで入れ歯を作ってみた。(65歳 男性)

ハルカです。

今夏から「土台美容液」という化粧水のようなそうでないような美容液を使っています。先日その商品のキャンペーンに応募しました。とは言っても、SNSへ写真と感想を投稿し、抽選で100名へ丸っと1本プレゼントというもの。せっかくだし載せておこうという軽い気持ちでアップロードしていたら、驚くことに当選していました。

普段、まったくと言っていいほどキャンペーンには当たらない性なので、嬉しく思う気持ちと、今後の運をすべて使い果たしてしまったのではないだろうかという気持ちの狭間に立たされています。

 

さて、久々の投稿は柔らかい入れ歯・コンフォートの購入を決めた、とある患者さんのお話です。

 

……

 

私はバンコクに住む65歳男性。ちなみにタイ人。
数年前に退職し、最近は日々のんびりとした生活を送っている。家では妻と今年38歳を迎えた娘、孫との4人暮らし。ちなみに自分のルーツは中国にあるので、見た目はどちらかというと中国南方の顔立ちだったりする。とはいえ、いつだったか祖父が華僑としてタイへ移住をして以来の話なので、自分はタイで生まれタイで育った生粋のタイ人。もちろん自分の周囲でも決して珍しいことではない。

 

これまで何不自由なく生活を送ってきたが、昨年、高血圧気味であると医師の診断を受けた。それ以降は家族にも促され、自分自身の健康にも気を使い始めている。

まずは生活改善のためにオーガニック商材を購入するよう心がけているが、果たして効果はあるのかと甚だ疑問である。ただ、食事に気を使うべきであることは明らかな事実。

 


そう考えていた矢先のこと。

インターネットで興味深い商品を見つけた。コンフォートというその商品は、日本製の高品質な入れ歯だそうで、様々な入れ歯の悩みを解決し得るらしい。最近バンコクへも進出してきたとのことで、ホームページに掲載されている使用者の声も結構良い。

 

ただ正直なところ、先日までその情報さえもすっかり忘れていた。実際に入れ歯を作ることに時間も費用もかかることは、これまでの経験上よく理解している。

そして定期検診のために歯科医院へ向かった日を境に、あの入れ歯が再び気になりだしたのである。というのも、これまで長く総入れ歯を使ってきたのだが、どうやらそろそろ替え時なんだとか。周りにはなかなか言いだせずにいたために、そのまま放置してしまっていたが、今の入れ歯が自分の口に合っていないと先生からも告げられた。

 

そんな時にあの入れ歯をふと思い出したのである。いずれにせよ治療が必要とのことだし、せっかくならあれを試してみたい、と。


しかしながら、困ったことに商品名を忘れてしまった。「入れ歯 痛い 食べ方」で検索した時か「インプラント」を見ていた時だったか…。「入れ歯 高品質 日本」で出てくるだろうか?

…ああ、あったあった、コンフォートだ。

 


このコンフォートという入れ歯を作るには、ポン先生という名の歯科医院へかからねばならないらしい。初診は無料だそうだし、まずは行ってみることとしよう。バトゥムワンの自宅からであれば車を走らせて20分ほどか。悪くない。予約は既に完了した。


予約当日。初めて訪れる医院なだけあってどこか落ち着かないが、医師は非常に気さくで話し易い。コンフォートの見本を初めて手にした際にも、内側の柔らかい素材にかなり惹かれるものがあった。手で触れるだけでもその肌心地の良さが伝わるのだ。
そしてポン先生に口腔内を見てもらうと、私の場合でもこのコンフォートを作ることは可能とのこと。

本当に日本で作られるらしく、完成までに時間はかかりそうだが、相応の価値があるのではと内心楽しみで仕方が無い。早速来週に次のアポイントを決めてきた。

 

 

<つづく>

※フィクションです。